なぜくるみんは誕生したのか
くるみんマークの認定制度が誕生した理由を紹介します。これには、現在日本が抱えている様々な問題が関係しています。
次世代育成支援対策推進法の施行
制度立ち上げの直接的な理由は、次世代育成支援対策推進法の施行です。少子高齢化を受け、次世代の健全な育成を支援するために2005年に施行されました。この時点では、従業員が301人以上の企業に対し、一般事業主行動計画の策定と、都道府県労働局雇用環境・均等部への申請が義務づけられていました。その後、2014年に改正が行われ、取り組み期間が10年間延長することが決まりました。一般事業主行動計画については、届出義務のある企業の従業員数を301人以上から101人以上と改正し、100人以下の場合は努力義務としています。ただし、行動計画の策定や申請を行わなかった際の罰則は設けられておらず効力が限定的なため、子育て支援の促進に向けてくるみんマークの認定制度が誕生しました。改正後の次世代育成支援対策推進法では、認定制度の強化を図るためにプラチナくるみんマークが新たに創設されるなど、積極的に取り組みを進めています。
なお、行動計画指針には、子育て支援の促進に向けて非正規雇用の労働者も対象であることや、男子の育児休業・育児休暇取得の促進、年次有給休暇取得の促進、働き方の見直しなどの取り組みが重要であると示されています。
進まない女性の社会進出
国際機関の世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2022」によると、日本の総合スコアは非常に低く、対象146ヵ国中、116位であることが分かりました。「教育・健康」に関するスコアは世界トップレベルですが、一方で「経済・政治」のスコアが極端に低く、企業における管理職の男女比に大きな格差がある結果となっています。育児休業や育児短時間勤務制度の導入を進めている企業もありますが、従業員数が限られている中小企業ではまだまだ体制改善が進んでいない状況です。しかし、このまま女性の社会進出が難しい状況が続けば、日本はさらに衰退していきます。くるみんマークの認定制度が誕生した理由には、こういった問題に対してアプローチする意味も込められています。
少子高齢化問題
国は女性の社会進出について積極的に取り組んでいます。少子高齢化が続く日本において、将来的に労働力不足が深刻化する可能性が高く、その問題を解決するためにも女性の社会進出は必須です。人口減少はほぼ避けられない状況であり、2022年版の高齢社会白書によると、2021年の時点で7,450万人だった生産年齢人口が、2050年には5,275万人にまで減少すると予想されています。
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注意!鵜吞みにしないこと
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くるみんマークとは
厚生労働省が認定を行っており、子育て支援に取り組んでいる企業に与えられます。厳しい認定基準をクリアした企業だけが使用できる認定マークで、育児と仕事を両立したい人が転職する際の基準となります。